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普及活動

森と人を育てるコンクールの実施

趣旨

全道の各地域において適切な森林整備を実践し、模範となる優良林分を育てている森林所有者と木育の実施団体等を評価・表彰し、林業技術の向上や森林づくりに対する道民の意識高揚と参加促進を図ります。

主催

森と人を育てるコンクール実行委員会
(公益社団法人北海道森と緑の会、一般財団法人北海道造林協会、北海道森林組合連合会、北海道の4者で構成)

受賞者

講演会

令和5年度の開催概要

  • 日 時:令和6年3月22日(金)13:30〜16:00
  • 場 所:ホテルポールスター札幌2階 ポールスターホール

  • −特別講演−
  • 講 師:国際協力機構(JICA)シニアアドバイザー 三次 啓都 氏
  • 演 題:世界の森が抱える課題と将来

    • スライドPDFダウンロード(2.5M)
    • 【講演要旨】
       世界全体の温室効果ガス排出量の約25パーセントを農業・森林セクターが占めています。これは運輸・エネルギーセクターからの排出量に匹敵する規模です。その一方、森林は炭素を固定するという重要な機能を持っています。持続的な森林経営と木材のバリューチェインの構築は、温室効果ガス排出減と炭素吸収・固定を行うための重要なアプローチです。
       北海道は土地面積の7割を森林が占め、林業・林産業のみならず、温室効果ガスの吸収源対策及び森林生態系の保全といった大きな役割を担っています。
       講演では、気候変動対策や生物多様性保全を背景とした、森林と森林を取り巻く世界の状況と方向性を紹介し、北海道の林業・林産業との接点と今後の期待について述べたいと思います。

      −会員発表1−
    • 発表者:千歳市農村整備課 耕地林務係長 中川 靖 氏
    • テーマ:千歳市における森林経営管理制度の取組について

    • 【発表要旨】
       千歳市の森林面積は約32,000㏊、森林率は約54%、そのうち約82%が市街地西部から国立公園支笏湖地域を含む国有林です。民有林は、主に東部地区に点在し、面積は約3,800㏊、市内森林面積の12%を占め、人工林率は約25%となっています。
       当市では、森林環境譲与税を活用し、適切な森林の整備やその促進につながる各種取組を計画的かつ効果的に進めています。
       本発表では、令和元年度より実施している森林経営管理制度に基づく未整備私有林の森林整備に向けた意向調査等の概要及び当市中央地区(コムカラ峠)で実施した市町村森林経営管理事業による未整備私有林の森林整備の取組と、道内市町村では初めてとなる共有者不明森林に係る特例の活用について報告します。


      −会員発表2−
    • 発表者:なかそらち森林組合 管理部長 藤田 悠介 氏
    • テーマ:UAV(ドローン)を活用した造林事業の効率化について

    • 【発表要旨】
       なかそらち森林組合は、芦別市に事務所を置き、隣接する赤平市を含めた地域の森林整備を担っており、両市合わせ年間おおむね30件、100ha程度の造林補助事業(人工造林等)を扱っています。
       通常、造林補助金の申請には、条件が厳しい場所では現地実測に1箇所あたり2日間程度かかるところ、天候などにもよりますが、UAV(ドローン)を活用し、現場業務及び事務処理を数時間に短縮しました。
       また、造林補助金事務の時間短縮は、事業執行に注力することにつながりました。一方でUAVの活用には森林所有者との調整など注意すべき点もあります。UAVを活用した現場業務及び補助事業事務の効率化について、当組合の取組を紹介します。

    講演会

    令和4年度の開催概要

  • 日 時:令和5年3月15日(水)13:30〜
  • 場 所:ホテルポールスター札幌2階 孔雀・白鳥

  • −特別講演−
  • 講 師:(地独)北海道立総合研究機構 エネルギー・環境・地質研究所 自然環境部 専門研究員 間野 勉 氏
  • 演 題:森を仕事場とする人たちのヒグマへの安全対策

    • スライドPDFダウンロード(11M)
    • 【講演要旨】
       森林で働く人たちには、さまざまな野生動物を観察する機会があります。それは、あるときは楽しく素晴らしいひとときでしょう。しかし、誤ったやり方で野生動物と接すると、人間と野生動物双方にとって不幸な結果を招くことになります。人命にかかわる危険性のあるヒグマは、人間を避ける性質のクマたちによる健全な個体群を維持することで共存を図ることが必要です。
       森林で働く人たちがクマとの衝突を避け、あるいはクマに遭遇したときに適切に対応するために必要なヒグマの生態や行動、被害発生の実際、また、現在北海道において実施されているヒグマの管理施策について紹介します。そして、今後の安全対策の参考にしていただくとともに、ヒグマとの共存を通じた生物多様性の保全につながればと思います。

      −会員発表1−
    • 発表者:津別町産業振興課 課長補佐 渡辺 新 氏
    • テーマ:「愛林のまち 津別町」における森林環境譲与税を活用した取組について

    • 【発表要旨】
       津別町は、面積71,680haのうち森林が61,374haを占め、森林率86%に及ぶオホーツク管内南東部に位置する町です。豊かな森林資源を背景に林業・木材産業と共に発展し、昭和57年には「愛林のまち」を宣言しました。現在町内には5社の造林・造材事業体と、13社の木材産業に関連する事業体が存在し、積極的な森林整備と、多様な木材製品の加工・生産が行われています。
       本発表では、森林環境譲与税が創設される以前から進めている森林整備の取組と、令和元年度より実施している森林環境譲与税を活用した森林整備・労働安全衛生・就業支援、また、森林所有者に対する意向調査に基づく森林現況調査の取組について、現状と課題を報告します。


      −会員発表2−
    • 発表者:はこだて広域森林組合 総務課長 鈴木 敏也 氏
    • テーマ:はこだて広域森林組合における担い手対策について

    • 【発表要旨】
       はこだて広域森林組合は、過去4回にわたる合併を経て、現在は、函館市・北斗・木古内町・森町・鹿部町の2市3町の広域森林組合として、関係市町との連携を密にし、一般民有林の持続的な森林経営の推進に努めています。事業の推進には、現場の従事者の確保及び育成が重要であるという考えから、
       ① 北森カレッジのインターンシップの積極的な受入や森林の担い手ガイダンス等への参加による新規就労者の確保
       ② 直営班(通年雇用者)の月給化、休日数の増加、装備の支給等の雇用環境の改善
       ③ 市町村との連携による、環境譲与税を活用した住宅補助等創設
      などに取り組んできました。当森林組合がこれまで取り組んできた担い手対策について発表します。

    令和3年度の開催概要

  • 日 時:令和4年3月18日(金)13:30〜
  • 場 所:ホテルポールスター札幌 2階ポールスターホール

  • −特別講演−
  • 講 師:千歳林業株式会社 代表取締役  栃木 幸広 氏
  • 演 題:千歳林業の林業経営・新型コロナウイルスとの闘い

    • スライドPDFダウンロード(3.77M)
    • 【講演要旨】
       昭和63年2月に北海道でも有数な豪雪地帯である倶知安町で所有山林ゼロからスタートした千歳林業㈱が、現在17,000ヘクタールの社有林と70名の従業員、70台の林業機械、70台の車両等を駆使して年間70,000~95,000㎥の木材生産量を行う事業体になったのか、先代の苦労話を交えながらお話ししたいと思います。
       また、1昨年から消費税増税や新型コロナ感染症予防対策の影響で、木材が売れないという非常事態に直面しましたが、1人も休業させることなく何とか乗り越えてこれたのは社有林があったおかげですが、それはどうしてなのかについてもお話しさせて頂きます。
       林業は厳しいというイメージを少しでも払拭し、楽しいと思える林業にしていくために、悪戦苦闘の毎日ですが、「大規模自伐林業」と関連事業を連携させた経営内容も紹介させて頂きます。

      −会員発表1−
    • 発表者:札幌市建設局みどりの推進部みどりの管理課 自然緑地係長 上田 剛 氏
    • テーマ:札幌市における森林環境譲与税を活用した取組

    • 【発表要旨】
       札幌市は、市域面積の6割以上を森林が占め、民有林面積は1万5千ヘクタール以上あるものの、林業や木材産業が主たる産業ではなく、放置された人工林も多く存在しているところです。
       そのような状況の本市における、森林環境譲与税を活用した森林経営管理制度の取組、市独自の森林整備補助事業、地域材利用等のこれまでの取組と、今後の森林施策の展開方向などについて発表します。


      −会員発表2−
    • 発表者:遠軽町 遠軽地区森林組合 参事 三瓶 英樹 氏
    • テーマ:森林・林業における人材確保の現状と取組

    • 【発表要旨】
       私は遠軽地区で30年間、森林・林業の仕事に携わっているが、この間、林業従事者の減少や高齢化が進み、森林組合に人材の確保について、相談される機会が多くなり、更に事業の縮小や廃業する会社などを多くみてきました。
       これらは地域課題と捉え、地域林業関係団体で構成している遠軽地区林業推進協議会で協議し、ただハローワークに求人を出して人材を待つだけでなく、まず地域住民に「森林・林業の魅力を多くの人に発信し、知ってもらおう!」をテーマに、平成27年度から「林業合同説明会」を実施しています。
       この地域林業における担い手対策・人材確保の現状と取組について発表します。

    令和2年度の開催概要

  • 日 時:令和3年3月19日(金)13:30〜
  • 場 所:ホテルポールスター札幌 2階ポールスターホール

  • −特別講演−

  • 講 師:朝日航洋株式会社 代表取締役社長 尾暮 敏範 氏
  • 演 題:安心安全な社会、持続可能な社会の実現に向けて〜朝日航洋の事業活動〜

  • 【講演要旨】
     日本列島ではこれまでにない規模の風水害や地震などが頻発し、住民の安全・安心や経済活動が大きく影響を受けている。そのような背景から政府は強くしなやかな国民生活の実現のため、平成30年に国土強靱化基本計画を見直し、インフラ・防災・減災などのあらゆる場面で新技術の活用を推進している。
     近年、ドローンによる映像の有用性が認知され、貴協会においても昨年度、災害時や平常時の森林の状況把握を目的とした講習が開催され、当社も微力ながら協力した。
     当社は、ヘリコプターを使った航空事業と地図を基盤とする空間情報事業の2本柱で全国展開をしている。直近ではSDGs、Society5.0に基づき、ドローンやMMS(モービルマッピングシステム)などを利用した情報収集・提供と、ドクターヘリや有事の際の物資輸送などで社会に貢献している。
     本講演では、創業66年を迎えた当社のチャレンジの歴史とともに事業活動を支える仕組みを紹介する。

    −会員発表−

  • 発表者:北見市農林水産部農林整備課 森林管理係長 大木 康博 氏
  • テーマ:北見における森林環境譲与税を活用した取組について

  • 【発表要旨】
     北見市の森林面積は94,500haで、総面積の約66%を占めており、その内民有林面積は約35,200haあり、また、民有林における人工林の割合は約53%となっており、豊かな森林資源を活用した林業・木材産業は本市の基幹産業のひとつとなとっています。
     本市では、森林環境譲与税の創設を受け、「森林環境譲与税の活用に向けた基本的な考え方」を策定するとともに「森林整備の水準に関する目標」を策定し、森林環境譲与税を活用した事業に取り組んでいるところです。
     本発表では、令和元年度から実施している森林環境譲与税を活用した森林整備事業などの取組みについて報告します。

    令和元年度の開催中止について

    新型コロナウイルス感染症の道内における感染状況等を勘案し、本年度の会員発表会については開催を中止いたしました(2月26日付け新着情報でお知らせ)。つきましては、先に会員各位に通知した発表概要等を次のとおり普及いたします。

    発表1:岩見沢市は、総面積(48,102 ha)の約34%が森林(16,114 ha)で、その森林の約48%を占める私有林(7,688 ha)の内、約12%(917 ha)が未整備森林となっております。市は未整備森林に対する取組として、本年度から5年間で森林所有者に対し森林経営管理法に基づく意向(アンケート)調査を実施し、森林施業への働きかけや森林経営計画への参画を促しております。また、森林環境譲与税を財源とした岩見沢市私有林整備事業を創設し、未整備森林の施業実施に向けた取組も進めております。本発表では、意向調査を実施し私有林整備事業の創設までに至った経緯や、これまでの取組経過、今後の展開等について報告します。

    発表2:北見市の森林面積は94,500haで、総面積の約66%を占めており、その内民有林面積は約35,200 ha あり、また、民有林における人工林の割合は約53%となっており、豊かな森林資源を活用した林業・木材産業は本市の基幹産業のひとつとなっています。本発表では、今年度より譲与されている森林環境譲与税を活用した森林整備事業などの新たな取組み、また、次年度からの森林環境譲与税を活用した取組内容について報告します。

    平成30年度の開催状況

    発表1:月形町産業課の井川健氏から「月形町有林整備プランの作成と道有林との共同施業の取組」と題して、平成28年から平成29年にかけて空知地区市町村森林整備計画実行管理推進チームとともに取り組んだ、平成30年度からの10年間の町有林整備プランと道有林との共同施業について報告があった。

    発表2:中標津町農林課の中川由樹氏から「中標津町におけるJークレジット制度の取組について」と題して、平成25年度から取り組んでいるカーボン・オフセットの販売と得られた資金による間伐や植栽等の推進について報告があった。

    その他普及活動

    令和3年度 造林作業の自動化・軽労化システムの構築に向けた実証・普及について

    【取組概要】
     (一社)北海道造林協会では、これまで(株)筑水キャニコムの全面的な協力を頂きながら、造林・下刈り分野の機械化による軽労化・省力化に取り組んできており、多目的造林機械である「山もっとジョージ(現在は「山もっとモット」に名称変更)」の製品化など、大きな成果を見てきている。
     しかし、今後とも一層軽労化・省力化を進めるとともに、安全・安心な職場環境を整え若年就労者の新規参入と定着を促す必要があるため、千歳林業(株)・(株)筑水キャニコム・道総研林業試験場とコンソーシアムを構成し林野庁の「先進的林業機械緊急実証・普及事業」に企画提案を行い採択されたことを受け、令和3年度において機械化による地拵え〜植付け〜下刈り作業のシステム化に向けた実証・普及事業に取り組んだので、その概要をお知らせする。